2016.8.7-12 キリマンジャロ

    お盆はキリマンジャロで高所登山体験してきました。
    (くま)
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    お盆休みは初めての海外登山に行ってきました。
    行先はキリマンジャロ(タンザニア、5895m)。
    知人が子どもを連れて登ったと言ってたので簡単に登れるのだろうと思って、登山というよりは旅行のつもりでツアーに申し込んでみた。
    でも調べてみると最高点のウフルピークへの到達率は思っていたほど高くなく、キリマンジャロに行くことが職場で広まってしまったので敗退なんてことになるとみっともないぞ、と思って7月は国内の山でトレーニングにはげむことになった。
    参加者は意外と若い人が多く、僕(32歳)は若い方から数えて13人中5番目だった。

    8月7日(1日目)
    道中のことはすっとばして、登山口のマラングゲートから話を始めます。
    キリマンジャロへの入山はガイド、ポーター、コックを雇うことが義務づけられていて、現地スタッフの人数の方が僕たちより多かった。
    山小屋泊だけど食事とか燃料はすべてポーターさんが担ぎ上げることになっていて、それらは山用の軽量なものではないのですごく重そうだった。
    ポーターさんは皆やせていて、ガイドさんはちょっと太っている人が多かった。
    地球の歩き方(?)によるとこの国では太っている人の方がもてるらしい。
    登山口の標高は1820mで、この日はずっとジャングルの中を歩いた。
    日本人のパーティははどこの国に行ってもきれいに一列になって歩くそうだけど、今回はどうも例外らしく、みんな広がって歩いていた。
    アフリカならではの動物たちもいて、写真はブラックアンドホワイトコロンブスモンキー(長い名前だなあ)。
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    1泊目はマンダラハット(2730m)。
    三角の形をしたロッジは4名1室で、きれいな部屋だった。

    8月8日(2日目)
    タンザニアは南半球なので今は一応冬らしいけど、低緯度なので夏との気温差は5℃程度。
    この時期は乾季ということなのでみんな晴天を期待していたが、乾季でも標高の低いところはずっとガスっていて、雨も少し降った。
    3000mあたりの森林限界を過ぎてもガスったままでちょっと残念。
    植物も初めて見るものがあって、写真はジャイアントセネシオ。
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    日本では登山道ですれ違う人に挨拶をする習慣があるけど、タンザニアでも同じだった。
    言葉は当然ちがっていて、あいさつは「ジャンボ」(おぼえやすい!)。
    スワヒリ語の発音は日本語に似ていて子音と母音が交互に来るので、日本語と同じように発音すれば問題なく通じるらしい。
    アサンテ(ありがとう)、マジモト(お湯)、ハクナマタタ(問題ない)、とかいくつか覚えたけど、現地スタッフはみんな英語が話せた。
    2泊目はホロンボハット(3720m)。
    この時点で富士山と同じくらいの標高。
    毎日パルスオキシメーターを指にはめて血中酸素飽和度を測定し、呼吸の仕方を変えながら数値を見て、どういう呼吸をすれば数値がよくなるかを一人ずつ試してみた。

    8月9日(3日目)
    朝は水たまりに氷が張っていた。
    山頂はここより2000m以上高いので、マイナス十数度になりそうだ。
    この日は高度順応のため3時間程度のハイキング。
    ゼブラロック(その名のとおりしましまの模様の岩、約4100m)まで歩いた。
    午後はやることがなかったが、食堂で日本人登山家のKさんに遭遇し、日本人グループが僕たちだけだということもあって、Kさんを囲んでのおしゃべりタイムになった。
    三浦さん80歳のエベレストのときの話とか、イッテQのヒマラヤのロケとか、某単独無酸素登山家とのビンソンとか面白い話があったけど、キリマンジャロに関する話としては、高山病の観点では危険な山に分類されるとのことだった。
    世界中から登山者が来るため順応期間が短いままどんどん登らせるのが危ないけど、必ず現地ガイドが一緒に登っていて、積雪が少ないのでダウンした人を一輪車に乗せて確実に下ろせるので成り立っているとのこと。
    びびらせてしまったかもしれないけどここにいる人は大丈夫でしょうと言われ(疲れて部屋で寝てる人もいた)、高山病対策には部屋で寝るのはあまり良くないらしく、おしゃべりを楽しんでいる方が良いそうだ。
    偶然かもしれないけど、このおしゃべりに参加していた人は皆ウフルまで行くことができた。

    高山病対策のために参加者は一人残らずダイアモックスを服用していた。
    副作用として利尿作用があるので、みんな頻繁にトイレに行った。
    僕は毎晩5回は行ったので、この日なんかは1時間しか眠れなかった。
    夜中トイレ周辺に眠れない人たちがいて、星空観賞会が始まった。
    もちろん日本の山よりきれいな星空が見えて、天の川もはっきり見えた。
    星座に詳しい参加者のKさんが解説してくれて、あれがこと座のベガ、あれがわし座のアルタイル、天の川を挟んだ位置にあるけど日本とは見え方が逆、等。
    南十字星は沈んでいて見えないようだ。
    いろいろ教えてもらったけどだいたい忘れてしまった。

    8月10日(4日目)
    今日は最後の宿泊地のキボハット(4703m)まで。
    4000mを超えると広大な砂漠地帯になる。
    後ろを振り返ると雲海が広がっていて、日本の山より高いところまで来ているのがよくわかるけど、目の前には4000mとは思えない砂漠が広がっていて、目指すキボ峰はまだまだ高い位置に見え、ずいぶん大きな山に来たもんだとしみじみ思った。
    キリマンジャロには3つのピークがあって、標高はそれぞれキボ峰(5895m)、マウェンジ峰(5149m)、シラ峰(3962m)。
    シラ峰は見えなかったけど、ぎざぎざしたマウェンジはよく見えた。
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    昨日までは酸素の薄さを感じなかったけど、キボハットに来るとそれをよく感じた。
    トイレへの階段を上り下りするだけで息切れするようになる。
    パルスオキシメーターで測ると、深呼吸さえすれば平地と変わらない数値になったので、たぶん大丈夫だろう。
    この日は一睡もできなかった。
    他にも眠ることをあきらめていた人はいたが、隣りのおばちゃんはいびきをかいて気持ちよさそうに寝ていた。
    昨日より標高が高いのでよりきれいな星空が見えていたはずだが、星の話をしている人は誰もいなかった。
    写真はSさんが撮った夜のキボハット。
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    8月11日(5日目)
    ここはタンザニアなので日本の祝日は関係ないけど、アタック日は山の日だった。
    山頂付近はマイナス十数度と予想されるので、日本の冬山の服装を着て、僕は靴も冬靴を履いてきていた。
    さらに厚手のダウンジャケットもザックに入れたので防寒は十分のつもりだったが、ガイドのエマニュエルはもっとすごいもこもこの服を着ていた。
    深夜にスタートし、タンザニア人と日本人が交互に並んで一列になって歩いた。
    昨日までよりもかなりゆっくり歩いた。これがポレポレか。
    歩きながらみんながタンザニアの歌を歌い始め、日本人も適当に声を上げていた。
    真っ暗闇なのにずいぶん明るい雰囲気だ。
    標高が上がっていくと寒くなってきたので、ハードシェルの下にダウンを着た。
    最初は遅すぎると思ったスピードもだんだんしんどく感じ、道が岩々し始めて大きな段差が出てきたが、息切れしないように岩の凸凹を探してできるだけ小さなステップで登るようにした。
    少し無理のある体勢で登ろうとすると、後ろを歩いていたサリームが背中を押してくれた。
    高山病対策のために水分を多くとっていたけど、ダイアモックスの利尿作用で頻繁におしっこタイムになった。
    厚着だし呼吸も荒いのでおしっこ地獄は面倒。男性はまだましですよという女性の意見も。
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    AM5時に稜線(ギルマンズポイント)に出た。風速十五メートルとガイドさんが言っていた。
    防寒は十分のつもりだったけどかなり寒い。歩くのがかなり遅いことと、酸素分圧が平地の半分もないため体温が上がらないようだ。
    ここでメンバーの一部は下山することになった。
    低酸素と低体温のことで頭がいっぱいだったのと、真っ暗で何も見えないこともあって、ここからしばらくの間のことはあまりよく覚えていない。
    歩き続けていると、だんだん空が明るくなってきて、東の雲海から太陽が昇った。
    ご来光というのはアフリカで見ても素晴らしいなあと思った。
    山頂はどこだろうと見渡すと、すぐ目の前にウフルピークの看板があった。
    他のメンバーがすでにそこにいるのが見えたので、僕も後を追ってアフリカ大陸で一番高いところに立った。
    山頂で何か面白いことをしようと決めていた人たちがいて、看板の前でお手玉をしたり、お尻を出したりしていた。
    なんだか盛り上がってきたのと、明るくなって景色も見えたので、さっきまでのしんどさは吹き飛んでしまった。
    周りには青白い氷河が広がっていた。
    眼下には雲海が低い位置に見え、まるで飛行機の窓から眺めているような高度感があった。
    朝日によってできたキボ峰の影が伸び、メルー山(4566m)はその中にすっぽり収まって小さく見えた。
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    キボハットからウフルまで登りは7時間半かかったけど、下りは2時間しかかからなかった。
    キボハットで昼食をとって、その日のうちにホロンボハットまで下った。
    3700mまで下りてくると酸素の濃さを実感し、僕は泥のように眠った。

    8月12日(6日目)
    マラングゲートまで下り、僕の初めての海外登山は終わった。
    キリマンジャロビールで乾杯し、登頂証明書をもらった。

    今回はポーターさん達の力を借りて登ったので本当の意味で自分で登った登山ではなかったけど、高所がどういうところなのか経験できたことは、今後(あるのか?)に活かすことができたらいいなあと思いました。

    以上

    コメント

    くまのん、詳細な報告ありがとう。
    楽しく読ませてもらいました。
    夜のキボハットは違う星(地球じゃなくて)みたいでステキ☆彡
    最後の写真はPCの壁紙に使わせてほしいなあ。

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